
やりたいことは、ある。でも、動けない。
新しい事業の種、思い切った設備投資、値上げ、採用、そろそろ考えたい世代交代。頭の中では「やった方がいい」と分かっている。それなのに、最初の一歩がどうしても出ない。
そういう時期が、経営者にはいつか訪れます。
パブロ今日は、その「動けない」について書きます。
動けないのは、能力でも戦略でもない
動けない時、多くの社長はまず「材料が足りない」と考えます。
情報が足りない。タイミングが悪い。準備が不十分。だから、もう少し情報を集めよう、もう少し良いタイミングを待とう、と考える。
それで動けるようになればいいのですが、たいていそうはなりません。情報を集めても、タイミングを計っても、その一歩は出ないままです。
僕が経営者と関わってきて感じるのは、動けない原因は能力でも戦略でもない、ということです。もっと手前の、別のところにあります。
「できない理由」は、たいてい後から作られる
動けない時、人は「動けない理由」を、とても上手に見つけます。
「もう少し業績が安定してから」「今は時期が良くない」「うちの規模ではまだ早い」。どれも間違ってはいません。一つひとつは、もっともな理由です。
ただ、これらは多くの場合、動けない原因そのものではありません。動かないことを自分に納得させるために、後から用意した材料です。



順番が逆なのです。動けないから理由を探すのであって、理由があるから動けないのではないのです。
厄介なのは、その理由を裏づける材料が、世の中にいくらでもあることです。慎重であることは美徳とされるし、失敗例も山ほどある。だから「やめておく」という判断は、いつでも正当化できてしまう。
僕自身、倒産から立ち直ろうとしていた時期に、何度もこの「もっともらしい理由」で足を止めました。動かない言い訳なら、いくらでも作れたのです。
半歩でいい。トップ30%を目指さなくていい
世の中には、考えるより先に動ける人がいます。行動力のある人たちです。
ただ、全員がそうなる必要はないと、僕は思っています。考えてから動くタイプの人が、無理に「即断即決の人」になろうとすると、たいてい長続きしません。
大事なのは、一歩の大きさを変えることです。最初の一歩が大きすぎて出ないなら、半歩でいい。


- 事業をまるごと変えるのではなく、小さく一つだけ試す
- 世代交代をいきなり決めるのではなく、後継者候補と一度だけ話してみる
- 値上げを全商品でやるのではなく、一つの商品で試す
半歩なら、言い訳の出番は減ります。「うちの規模では」も「時期が」も、半歩の前では効きにくい。
そして半歩出てみると、景色が少し変わります。次の半歩が、さっきより軽くなる。
動けないのは、弱さではない
動けないのは、弱さではありません。慎重な人ほど、動けない時期があるものです。
ただ、足を止めているのが戦略でも能力でもなく、後から作った言い訳だと気づけた時、人は半歩だけ前に出られます。その半歩の積み重ねが、一年後の景色を変えていきます。
やりたいことを一つ思い浮かべて、その半分のサイズで、今日試してみる。
派手な決断は要りません。それだけで、明日の景色は今日より少し前に進みます。
この記事のまとめ
- やりたいのに動けない時、多くの社長は「情報・タイミング・準備」のせいにするが、原因はそこではない
- 「できない理由」は、たいてい動かない自分を納得させるために後から作られる
- その理由を裏づける材料は世の中にいくらでもあり、「やめておく」はいつでも正当化できてしまう
- 行動力のある人(トップ層)を目指す必要はない。一歩の大きさを半歩に変える
- 半歩なら言い訳は効きにくい。半歩の積み重ねが、一年後の景色を変える










