はじめに:今、つらい状況にいるあなたへ
「もうダメかもしれない」「この状況から抜け出せる気がしない」
そう感じながら、この記事にたどり着いた方もいると思います。
私自身、一度すべてを失っています。
23年間、経営者として歩いてきました。父から受け継いだ売上5,000万円の会社を、年商15億円まで育て、資産は45億円になりました。それを、最も信頼していた幹部の裏切りで、一夜にして失いました。手元に残ったのは、家中をかき集めて3万円。お金だけではありません。母の家も、築いてきたプライドも、娘に見せるはずだった未来も失いました。
この記事では、そこから戻ってくるまでに私が通った道を、7つのステップに分けて書きます。仕事や事業を自分の責任で回している人、あるいはこれから回そうとしている人に向けて書いています。
パブロ今日は、方法の話というより、私が実際に何をしたかの話です。
なぜ人は「どん底」を感じるのか?
よくあるどん底の原因
- 事業の失敗、倒産、大口取引の喪失
- 信頼していた人からの裏切り
- 借金、収入の急減、資金の枯渇
- 自分や家族の病気
- 長く追いかけてきた目標の断念
なぜ「絶望」は訪れるのか
私の場合、絶望の正体は「自分の判断が間違っていた」と認めることでした。
失敗そのものより、失敗を招いた判断を自分がしたという事実のほうが重い。お金は取り戻せても、あのとき信じた自分は消せません。
それでも、絶望の中に「このままでは終われない」という思いが残っていました。あとから振り返ると、その思いが最初の一歩を支えていました。
どん底から這い上がる7つのステップ
- 現状を受け入れる|感情ではなく、数字で現在地を確かめる
- 小さな目標を設定する|今月ひとつ、入金がある仕事を決める
- 情報を集める|次に何をするかだけでなく、何が失敗につながったかを調べる
- 環境を変える|残ってくれた人との時間を増やす
- サポートを求める|違う視点で、率直に返してくれる人に話す
- 新しいスキルを身につける|足りなかった一点だけを埋める
- 感謝の習慣を作る|残っているものを確かめて、行動にする
ここから、ひとつずつ書いていきます。
現状を受け入れる
これが、いちばん時間がかかりました。
私の場合、失ったものを数え直している時期がしばらく続きました。「あの判断さえ間違えなければ」と、何度も同じところに戻る。過去にしがみついているあいだは、何も動きません。
私の手元にあったのは、3万円でした。その数字を確かめたところから、次に何をするかを考えるようになりました。
感情ではなく、数字で現在地を確かめる。まず確認したいのはこの3つです。


- いま手元にいくらあるか
- 毎月いくら出ていくか
- 手元の資金で、あと何か月、事業と生活を維持できるか
過去の判断を裁くのはあとでいい。先に、いまの数字を確定させてください。悔やむ時間が、残り時間に変わります。
小さな目標を設定する
大きな再建の計画は、この段階では立てないほうがいい。立てても、動けないからです。
私の場合、集中する先を一つに絞りました。SNSを軸にした事業です。あれもこれもと広げず、一つに絞ったことが、結果として2か月という期間につながりました。
大きな結果を先に見ないで、次の一件に集中する。そのために、目標はここまで小さくします。
- 今月、入金がある仕事を一つ決める
- その仕事を提案できる相手を、3人書き出す
- 明日、その中の1人に連絡する
ここまで小さくすると、動けます。
情報を集める
私がこの時期にやったのは、脳科学と心理学と人間行動学を、片っ端から調べることでした。
始めた動機は、正直なところ「自分は間違っていなかった」と証明したかったからです。ところが調べるうちに、問題は別のところにあると気づきました。
「稼ぐ力」と「人を見る目」は、まったく別のスキルである。



稼ぐ力と、人を見る目は別のもの。これに気づくのが、私は遅すぎました。
私は前者だけで走っていました。振り返って、見直す必要があると感じたのは、人を見る目のほうでした。
どん底で集める情報は、次に何をするかだけではありません。何が失敗につながったのかも調べます。感情ではなく構造で理解できたとき、同じ失敗を繰り返さない土台ができます。
そのときの話は、45億円失った僕が2ヶ月で月収1000万円を取り戻した話に詳しく書きました。
環境を変える
環境を変えるというと、住む場所や部屋の話に聞こえるかもしれません。私が見直した環境の中心は、付き合う相手でした。
45億円が消えたとき、仲間だと思っていた人たちの多くが去っていきました。一方で、表立たない場所で、私の話を聞いてくれた仲間が確かに居ました。
次の土台になったのは、その人たちです。


環境を変えるというのは、新しい人脈を広げることではありません。失ったときに残ってくれた人が誰かを確かめて、その人たちとの時間を増やすことです。去った人だけに意識を奪われず、いま関わってくれる人に目を向けてください。
サポートを求める
裏切られた直後、私は誰にも心を開けませんでした。身内にすらです。
責任を背負ってきた人は、人に頼りにくいことがあります。私もそうでした。「経営者は強くあるべきだ」と信じていたので、メンタルクリニックに通うことになったときも、最初はそれを受け入れるのに時間がかかりました。
けれど、ステップ3で気づいたとおり、私に足りなかったのは人を見る目でした。だとすれば、自分一人の判断で立て直そうとするより、自分とは違う視点を持ち、率直に意見を返してくれる人に話すほうがいい。
誰に相談するかで、そのあとの道が変わります。利害なく話を聞いてくれる人が、一人いれば十分です。
経営者が誰に相談しているかについては、経営者の孤独に別で書いています。
新しいスキルを身につける
全部を学び直す必要はありません。
私の場合、稼ぐ力はありました。15億円まで会社を育てたのは事実です。そして、23年の経営の学びは、誰にも奪えませんでした。足りなかったのは、人を見る目という一点でした。
どん底にいると「自分には何もない」と感じますが、それは違います。すでに持っているものと、足りなかったものを分けて、足りなかった一点だけを埋める。それで十分です。
- 自分がすでに持っているスキルを、まず書き出す
- 今回の失敗で、決定的に足りなかったものを一つだけ選ぶ
- それを学ぶ。他は後回しでいい
感謝の習慣を作る
きれいごとに聞こえるかもしれません。
ただ、失ったものを数える癖がついていると、いつまでも失った側に立ち続けることになります。
私に残っていたのは、経営の経験と、去らなかった仲間と、まだ働ける体でした。あとから振り返って、本当の財産はお金ではなく、学びと仲間だったのだと分かりました。
残っているものを毎日確かめて、それがあることに感謝を言葉にする。人に対しては、直接伝える。経験と体に対しては、それを使って今日できることを一つやる。
感謝は気持ちで終わらせず、行動にしてください。
どん底から這い上がった人の共通点
私が立て直す過程で大切だと感じたことは、多くありません。
- やめなかった。特別な才能より、続けたかどうかで分かれます
- 小さく動き続けた。考える時間より、動く時間のほうを長くした
- 失敗を構造で理解した。自分が次に変えられる部分を見つけると、同じ失敗を避けやすくなります
- 残った人を大切にした。去った人を追わず、残った人との関係を深めた
- 体を守った。体を守ることは、心の回復を支える土台になります
注意すべきポイント
避けたいこと
- 完璧な再建計画を作ろうとする
- 去った人や、うまくいっている人と自分を比べ続ける
- 一人で全部を解決しようとする
- 結果を急ぐ
- 体を削って取り戻そうとする
心がけたいこと
- 今日できることを一つだけ決める
- 数字で現在地を見る
- 残った人との時間を増やす
- 眠る時間を削らない
- 失ったものだけでなく、いま使える経験と人と時間を確認する



どん底にいる方へ。まず、手元の数字を確かめてください。そこからです。
まとめ:あなたの中に答えがある
外から答えをもらうだけでは、私は立て直せませんでした。
答えは「自分は何を間違えたのか」の中にあり、それを見つけたあとに、動き方が決まりました。
事業や収入まで崩れて、この記事を読んでいる方へ。私が2か月で何をしたのかは、45億円失った僕が2ヶ月で月収1000万円を取り戻した話に書きました。そして、その先で何が見えたのかは、メールでお伝えしています。
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