はじめに:なぜ「時間の自由」が今重要なのか
年商15億円だった頃、私は毎朝4時に起きていました。
起きてすぐメールを返し、夜中まで返信を続ける。それを「経営者の責任だ」と言っていました。実際には、言い訳でした。自分がいないと止まる会社を作ったのは、私自身だったからです。
収入は増えていました。でも、時間は減る一方でした。
15億まで積み上げて、そこで見えたのは自由ではなく、絶望のほうでした。
前回は、そこから失って、戻ってくるまでの話を書きました。今日は、戻ったあとに何を変えたかの話です。
いま私は、月に5日だけ働いています。増やしたのは収入の数ではなく、私が動かなくても回る形の数でした。
パブロ今日は、収入を増やす話ではありません。自分を抜いていく話です。
「7つの収入源(セブンポケット)」とは?
一つの収入に頼らず、複数の柱を持つ。セブンポケットと呼ばれる考え方です。柱が何本かあれば、一本が倒れても倒れきらない。
先に言っておくと、7という数そのものに、私はこだわっていません。昔から言われている枠を借りているだけです。
数を追いかけると、ここでつまずきます。私もその一人でした。
7つ持っていても、7つ全部を自分が動かしていたら、7倍忙しくなるだけです。



柱の数を数えていた頃、私はいちばん忙しかったです。
本体と関連会社をあわせて、6社を立ち上げてきました。数だけ見れば、柱は十分にあったはずです。それでも朝4時起きでした。全部の判断が、自分を通っていたからです。
数を数える前に、見るところがあります。その収入は、自分が動かないと止まるのか。止まらないのか。
収入を「自分からの距離」で並べ直す
同じ7つでも、並べ方を変えると景色が変わります。
私が使っている並べ方は、金額でも始めやすさでもありません。自分の時間からどれだけ離れているかです。


上にあるものほど、自分が手を止めた瞬間に止まります。下にいくほど、自分がいなくても続きます。
先に断っておくと、この順番は「始める順番」ではありません。いま自分がどこに立っているかを知るための地図です。着手する順番は、あとで別に書きます。
7つの収入源を、距離の順に見る
- いまの事業|自分が動いた分だけ入るもの
- 売り方から自分を抜く|同じ商品を、自分がいなくても売れる形に
- 続けて入る形にする|すでにいるお客さんから、売りに行かなくても入り続ける
- 人に任せる|自分を通さずに回る部分を作る
- 一度作って、何度も売れるもの|寝ているあいだも動く
- 事業の外に置く|お金がお金を生む場所を持つ
- 資産そのもの|持っていること自体が収入になる
ここから、ひとつずつ見ていきます。
1. いまの事業。自分が動いた分だけ入るもの
受注して、作って、納める。多くの事業がここから始まります。私も最初はここだけでした。
この柱の性質は、止めた瞬間に収入が止まることです。手を動かした分だけ入るので、増やそうとすると自分の時間を差し出すことになります。
まずここを確かめてください。悪い柱ではありません。ただ、ここだけで増やそうとすると、増える分だけ自分の時間が減ります。
2. 同じ商品を、自分がいなくても売れる形にする
一つ目の柱の中に、自分でなくてもいい部分が必ずあります。
私の場合、それはSNSでした。すべてを失ったあと、私が最初に集中したのはSNSを軸にした事業です。会って話さないと売れなかったものが、画面の向こうで伝わる形になりました。自分が同席しなくても、話が進むようになったのはここからです。
売り方が自分の口頭説明だけになっていないか。資料や仕組みに置き換えられないか。同じ商品のまま、自分が抜けても売れる形にする。新しい商売を始めるより先に、いまの商売から自分を薄くしていきます。
3. すでにいるお客さんから、自分が売りに行かなくても入り続ける形にする
新しい客を探し続けている限り、収入は自分の足の速さに縛られます。
いま取引のある相手に、続けて関われる形はないか。保守、顧問、定期の納品。単発で終わっている関係の中に、続く形が眠っていることがあります。
私がいま経営者育成を続けているのも、この形です。一度きりの講演ではなく、続けて関わる形にしたことで、毎月の売り込みから離れられました。
4. 人に任せて、回る部分を作る
判断のすべてが自分を通っている状態は、柱ではなく一本の細い管です。
ここは、一度だけ距離が近づきます。任せるあいだは、教える手間と見る手間が増えるからです。それでも越えないと、この先には進めません。
任せるというのは、丸投げのことではありません。どこまでを相手が決めていいかを決めることです。私はここが下手でした。任せ方を決めないまま人を増やして、そこでつまずきました。
任せる相手を選ぶのは、稼ぐこととは別のスキルです。
5. 一度作って、何度も売れるものを持つ
作るのに時間はかかるが、売るたびに作り直さなくていいもの。教材、テンプレート、記録した知識。


ここまで来ると、自分が寝ているあいだも動きます。
私の場合は、23年の経営で溜まった判断の基準がそれでした。失敗も含めて、他の経営者に渡せる形になっていました。自分の中にあるものを、外に出せる形にする。
6. 事業とは別に、お金がお金を生む場所を持つ
ここから先は、自分の手が完全に離れます。
事業の外に置いておくことに意味があります。45億を失ったとき、失ったのは会社だけではありませんでした。全部が同じ構造の上に乗っていたからです。だから私は、事業と切り離した場所を意識するようになりました。
金額の大小より、事業と切り離されているかどうかを見てください。
7. 資産そのものから入るもの
不動産のように、持っていること自体が収入になるもの。
私はいま、不動産をこの位置に置いています。ここまで来ると、自分の時間はほとんど関係なくなります。
ただし、いきなりここから作ることはできません。1から順に、自分を薄くしてきた先にある場所です。
増やす順番を間違えない
ここまでは距離の地図でした。着手する順番は、また別です。
7つを同時に始めることはできません。私がやってしまったのは、まさにそれでした。
- いまの柱を安定させる。ここが揺れているうちに次へ行くと、両方が中途半端になります
- その柱から、自分を抜く(2と3)。新しいことを始める前に、いまの商売から自分を薄くする
- 人に任せる形を作る(4)。ここで初めて、自分の時間がまとまって戻ってきます
- 戻ってきた時間で、手が離れるものを作る(5)
- 増えたお金を、事業の外に置く(6と7)
一段ずつです。数を増やすことと、自分を抜くことは、まったく別の作業です。
つまずきやすいところ
手を広げすぎる
新しいことを増やすと、動いている実感があります。でも、増えたのが全部「自分が動かないと止まるもの」なら、忙しくなっただけです。
一つ増やす前に、いまの柱から自分がどれだけ抜けたかを確かめてください。
自分がやったほうが早い、と思う
実際、最初は自分のほうが早いです。ここで手を出すと、いつまでも抜けられません。
自分がやったほうが早いから全部やる。その結果が、自分が止まれば会社も止まる形でした。
稼ぐ力だけで進もうとする
「稼ぐ力」と「人を見る目」は、まったく別のスキルです。
私は前者だけで走っていました。人に任せる段階(4)でつまずくとしたら、たいていここです。
このあたりの話は、45億円失った僕が2ヶ月で月収1000万円を取り戻した話に書きました。



今日やることは、一つだけで足ります。
まとめ:今日から始められること
大きな話をしてきましたが、今日やることは一つで足ります。
いまの収入を、自分が動かないと止まるものと、止まらないものに分けてください。
紙に二列で書くだけです。私は、左側だけでした。それが分かれば十分です。
そのうえで、次の一手はこの順で選びます。
- 左側の柱の中で、自分でなくてもいい作業を一つ見つける
- それを、人か仕組みに渡す
- 空いた時間を、次の柱に使う
月に5日で回る形は、一日でできたものではありません。この3つを繰り返した先にあります。
時間の自由は、収入を増やした先にあるのではありません。自分が動かなくても回る形を、一つずつ増やした先にあります。
その途中で、私は何度も判断を間違えました。そこで何を学んだのかは、メールでお伝えしています。
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